なんで音楽ケータイにBluetoothが搭載されなかったのか?

簡単です。苦労して積む程のメリットが無いからです。
開発現場では「Bluetoothなんていらない」というのが過半数の意見だったりします。
その理由は主に

  1. ワイヤレスよりワイヤードの方のメリットが大きい。
  2. ケータイユーザーの大多数の生活圏は大都市部である
    =自家用車で移動するよりも公共交通を利用する層が多い。
    ハンズフリーを利用する機会がそもそも少ない。
  3. (ウィルコムのような)PC/PDA向けのパケット定額を提供してる携帯キャリアが無い以上、PCとペアリングしてのインターネット/メールをやるユーザーはいない。

に要約されます。
 
1)に関して言えば。

  • ワイヤレスヘッドホンは電池が無ければ使えない上、電池が一日持たない。
  • 上着のポケットに入れても苦にならないぐらい端末が小さいなら、(前項の理由で)ワイヤードでもかまわない。
  • ワイヤレスである上でのセキュリティの問題を(余計に)考慮しないといけない。
  • そもそもワイヤレスヘッドホンの音質は悪い。
  • 到達距離がMAX10m程度だと、最悪バックの中〜頭の間だけでも通信が切れることがある。

ってな感じで、ワイヤレスによる快適度とのトレードオフが余りにも多い訳です。
 
2)に関していえば、
 大都市圏在住のユーザーが多い→大都市圏のユーザーは自家用車よりも電車・バスで通勤・通学する人が多い訳で

  • 自家用車(バイク・自転車でも)で移動する人は手がふさがって普通に電話に出るのが難しいが、電車・バス・徒歩で移動する人は手が空いてるので普通に電話に出れる。
  • そもそも、公共の場で一人ぶつぶつ言ってる光景より、電話を耳元に当てて話してる光景の方が自然に見える,と思いませんか?
    (ついでに言うと、今までのケータイサービスの歴史って、クルマユーザーより電車ユーザーの方が便利なサービス方が展開が早くと充実度が高いと思いません?Felicaとか。)

 
3)に関していえば、
 ウィルコムを除くキャリアのパケット定額サービスは、PC・PDAダイアルアップ回線として使用した際の通信料は定額制の対象外・従量制です。
 そんなわざわざ金のかかるを屋外で使おうなんて人は、モバヲタでなければ仕事で非常手段として仕方なく使うぐらいなものです。
 キャリアも経営戦略上や技術上の問題からこれからもPC・PDA向けのサービスは積極的じゃないだろうし。
 ついでにいうと、PCの知識が少ない人ほど、BluetoothでのペアリングよりUSBとかでの接続の方が理解しやすいもんだったりするもんです。
 
以上から、こと日本に関しては今以上にBluetoothが盛り上がることは無いんでしょう。
結局PCの周辺機器とのワイヤレス化についても、キーボードやマウスは独自のRFを使うようになっている中で、だんだんとワイヤレスUSBへ向かうような状況ですし。
開発現場では、BluetoothよりもFelicaワンセグに力を入れる方がマシという雰囲気だったりします。
 
つまりは、クルマユーザーが欧米よりも少ないという日本市場の特殊性の一つってことで。。。